北空知の法人設立|なぜ譲渡制限株式が大切?知っておきたい基本

会社を設立する際には、「株式を誰が持つのか」を考えなければなりません。

株式会社では、株式を誰が保有するかによって、会社の経営や意思決定にも影響が生じます。そこで重要になるのが「譲渡制限株式」です。

譲渡制限株式とは、株式を他の人へ譲渡する際に、会社の承認を必要とする旨を定めた株式のことです。

特に、創業者や家族など少人数で会社を経営する場合、「知らない第三者に株式を持たれたくない」「会社の経営権を安定させたい」と考えることもあるでしょう。譲渡制限を設けておくことで、株式が意図しない相手へ渡ることを防ぎやすくなります。

この記事では、妹背牛町をはじめとする北空知エリアで会社設立を考えている方に向けて、譲渡制限株式の基本と、なぜ会社設立時に譲渡制限を検討することが大切なのかを分かりやすく解説します。

譲渡制限株式とは?会社設立時に知っておきたい基本

株式会社を設立すると、出資した人は「株主」となり、出資の割合などに応じて株式を保有することになります。株式には、会社の経営に関わる議決権や配当を受ける権利などがあり、誰が株式を持っているのかは会社にとって重要な問題です。

原則として、株式は譲渡することができます。つまり、株主が自分の持っている株式を他の人に売ったり、贈与したりすることは、基本的には自由です。

ここで重要になるのが「譲渡制限」です。

譲渡制限株式とは、株式を譲渡によって取得する際に、承認を必要とする旨を定款で定めた株式のことです。

通常の株式が「株主が基本的に自由に譲渡できる株式」なのに対して、譲渡制限株式は「譲渡する際に承認が必要な株式」です。

特に、創業期の限られた人で会社を経営していく場合には、「誰が株主になるのか」が非常に重要です。そのため、会社設立時に譲渡制限を設けておくことで、会社とは関係のない第三者が株主になることを防ぎやすくなります。

そして、株式会社のすべての株式について譲渡制限が設けられている会社は、一般に「非公開会社」と呼ばれます。

会社法

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
十七 譲渡制限株式 株式会社がその発行する全部又は一部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定めを設けている場合における当該株式をいう。

譲渡制限がないと何が問題になる?

譲渡制限を設ける大きな理由は、会社の株主構成をコントロールし、経営の安定性を保つためです。

株式会社では、株主は単に会社へ出資しているだけではありません。保有する株式に応じて議決権を持ち、株主総会を通じて会社の重要な事項について意思決定に関わります。

そのため、「誰が株主になるのか」は会社を経営していくうえで重要なポイントになります。

株式が第三者に渡ると株主が変わる

譲渡制限がなければ、株主は原則として保有する株式を他の人へ譲渡することができます。

株式が譲渡されれば、譲り受けた人が新たな株主となります。つまり、会社を設立したときに決めた株主構成が、会社の意図しないところで変わる可能性があります。

特に、中小企業など限られた人で会社を経営する場合には、誰が株主になるのかを管理することが重要です。

会社設立時には現在の株主だけを見てしまいがちですが、株式は将来的に譲渡される可能性があります。そのため、「今、誰が株主なのか」だけでなく、「将来、株式が誰かに渡った場合にどうするのか」まで考えておく必要があります。

株主が変わると会社経営にも影響する

株主は、株式に応じた議決権を持ち、株主総会で会社の重要な事項について意思決定に関わります。そのため、株式の譲渡によって株主構成が変わると、会社の意思決定にも影響が生じる可能性があります。

経営者としては、これまで同じ方針で会社を運営してきたとしても、株主が変われば、会社の経営について異なる意見が出てくることも考えられます。特に、少人数の株主で経営している場合では、一人ひとりの株式保有割合が大きくなることもあります。

だからこそ、会社設立時には「誰に株式を持ってもらうのか」を慎重に考えるだけでなく、「その株式が将来譲渡された場合にどうするのか」という視点も重要になります。

譲渡制限はどうやって定める?会社設立時の定款設計

譲渡制限株式を設ける場合は、会社設立時に作成する定款で、株式を譲渡によって取得する際に承認を要する旨を定めます。実際に株式を譲渡することになったとき、誰が承認するのか、どのようなルールで承認するのかまで考えて定款を設計することが重要です。

まずは「誰の承認が必要なのか」を決める

譲渡制限を設けると、株主が株式を譲渡しようとした際に、承認を受ける必要があります。では、その承認は誰が行うのでしょうか。会社法では、原則として株主総会が承認する機関となります。

ただし、取締役会設置会社では取締役会が承認機関となるなど、会社の機関設計によって異なります。また、定款で別の承認機関を定めることもできます。

そのため、会社設立時には、取締役会を設置するのか、株主総会を中心に会社を運営するのかといった機関設計とあわせて、譲渡の承認機関について考える必要があります。

会社法

(株主からの承認の請求)
第百三十六条 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。

(株式取得者からの承認の請求)
第百三十七条 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。

(譲渡等の承認の決定等)
第百三十九条 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

定款では「譲渡制限の範囲」も確認する

譲渡制限を定める際には、どの株式について譲渡制限を設けるのかという点も重要です。

株式会社では、発行する株式のすべてについて譲渡制限を設けることもできます。特に中小企業や家族経営を前提として会社を設立する場合には、発行する株式すべてを譲渡制限株式とする設計が一般的に検討されます。

一方で、将来的に外部から出資を受けることや、特定の種類の株式だけ異なる条件にすることなどを考えている場合には、株式の種類や内容も含めて設計する必要があります。

会社設立時には、現在の株主だけを前提にするのではなく、将来どのような人が株主になる可能性があるのかまで考えておくことが大切です。

会社法

(株式の内容についての特別の定め)
第百七条 株式会社は、その発行する全部の株式の内容として次に掲げる事項を定めることができる。
一 譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。

(異なる種類の株式)
第百八条 株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。(略)
四 譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。

まとめ|会社設立時に譲渡制限株式を検討しておこう

譲渡制限株式は、株式を譲渡する際に一定の承認を必要とすることで、会社の株主構成を管理しやすくする仕組みです。

株式会社では、株主が議決権を持ち、会社の重要な意思決定に関わるため、「誰が株主になるのか」は会社経営にとって重要な問題です。特に、創業者や家族など少人数で経営する会社では、意図しない第三者が株主になることを避けたいケースもあります。

そのため、会社設立時には、現在の株主構成だけでなく、将来的に株式が譲渡される可能性まで考えて、譲渡制限を設けるかどうかを検討することが大切です。

譲渡制限を設ける場合は、定款にその旨を定めるだけでなく、譲渡の承認機関や会社の機関設計、将来的な株式の譲渡や事業承継なども含めて、会社に合った形で定款を設計する必要があります。

「会社設立だから、とりあえず定款を作ればいい」と考えるのではなく、設立後の会社経営まで見据えて株式のルールを決めておくことが、将来のトラブルを防ぐことにつながります。

妹背牛町をはじめ北空知エリアで会社設立を検討している方は、株式や定款について分からない点をそのままにせず、早い段階で専門家に相談しながら準備を進めるとよいでしょう。

行政書士あおやま事務所は、
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