レポートサンプル


ライフプランニング 提案書


① ヒアリング結果のまとめ

  • 基本情報:35歳、北海道在住、賃貸住宅
  • 家族構成:妻33歳、長男5歳、長女2歳の4人家族
  • 職業・収入状況:正社員、年収450万円(税込)、収入は安定している
  • 支出状況:毎月の生活費22万円、毎月の貯蓄・投資額4万円
  • 資産状況:現在の金融資産350万円、NISAを利用中
  • 負債状況:借入なし
  • 投資経験・スタンス:NISAを活用中、バランス型(リスクとリターンのバランスを重視)
  • いまの考え:安心・安全な人生を大事にしたい。65歳での引退を希望しており、引退後は持ち家を所有し年に数回の旅行を楽しむ生活を理想としている。退職金はあるが、自身の老後も心配である。今後、住宅購入、車の購入、子供の進学、親の介護などのイベントを控えている。特に大学進学時の教育資金と住宅ローンの適正額について知りたい。

② 現状分析

強み

  • 安定した正社員としての収入基盤があり、収入の変動リスクが低い
  • 現在350万円の金融資産を保有しており、緊急時の備えとなる基盤が構築されている
  • 毎月4万円(年間48万円)の貯蓄・投資を継続できており、資産形成の習慣が確立されている
  • NISAを活用しており、税制優遇制度への理解と実行力がある
  • 借入がなく、財務的に健全な状態
  • 若年期(35歳)であり、長期的な資産形成の時間的余裕がある

課題

  • 現在賃貸住宅であり、住宅購入を検討する必要がある
  • 子供2人の教育資金(特に大学進学時)の準備が必要
  • 車の購入、親の介護など、複数の大きな支出イベントが控えている
  • 住宅ローンの返済計画、老後の資産形成や退職金活用の戦略が重要

分析コメント

安定した収入基盤と堅実な貯蓄習慣により、非常に健全な財務状態にあります。特に借入がない点と、NISAを活用した資産形成の実践は大きな強みです。一方で、今後数年以内に住宅購入・車購入といった大きな支出が控えており、さらに子供2人の大学進学(13年後・16年後)、親の介護、老後資金といった長期的な資金需要が重なっています。現在の貯蓄ペース(月4万円)では複数のライフイベントに十分対応することが困難であるため、貯蓄余力の拡大と計画的な貯蓄が重要な課題となります。


③ ライフプラン

理想イメージ

  • 引退・セミリタイアの希望年齢:65歳
  • 将来の理想の生活スタイル:持ち家を所有し、年に数回の旅行を楽しむ。家族との時間を大切にし、経済的な不安なく穏やかに過ごす
  • 守りたい価値観・優先事項:安心・安全な人生。無理なリスクは取らず、堅実に資産を築き、家族全員が安心して暮らせる基盤を作ること

計画イメージ

  1. 引退後の生活費イメージ(月額・年額):月額20万円程度(現在より若干削減)、年額240万円
  2. 余暇・趣味などに使いたい金額・頻度:年に3~4回の国内旅行、1回あたり10~15万円程度、年間40~50万円
  3. 想定する老後期間:65歳から90歳まで(25年間)
  4. その他大きなライフイベント
  • 住宅購入(2~3年以内を想定)
  • 車の購入(2~3年以内を想定、以降10年ごとの買い替え)
  • 長男の大学進学(18歳時、13年後)
  • 長女の大学進学(18歳時、16年後)
  • 親の介護(時期未定、備えとして考慮)

④ 優先順位

価値観の優先度

  1. 安心・安全(第1優先):家族全員が経済的な不安なく暮らせる基盤を確保する
  2. 教育(第2優先):子供たちが希望する進路を選択できるよう教育資金を準備する
  3. 生活の質(第3優先):持ち家と適度な旅行により、心地よい生活を実現する

トレードオフ判断の基準

  • 時間 vs お金:無理な節約や過度な労働は避け、現在の生活の質を保ちながら計画的に資産形成を行う。時間をかけて着実に目標に近づくアプローチを優先する
  • 安定性 vs 成長性:安定性をベースとしつつ、長期的な成長も視野に入れたバランス型運用。短期的な変動は許容するが、大きなリスクは取らない
  • 自由度 vs 収入:現在の安定した雇用環境を維持することを優先し、自由度よりも収入の安定性を重視する

資金配分の優先順位

  1. 優先度【高】
  • 生活防衛資金の確保(生活費6ヶ月分=約130万円)
  • 住宅購入の頭金準備(300~350万円、現実的に2~3年で準備可能)
  • 住宅ローン戦略の決定(25~30年ローンで月返済を抑え、65歳時点の残債を退職金で返済)
  • 教育資金の積立(子供2人、各400~500万円)
  1. 優先度【中】
  • 老後資金の積立(NISA・iDeCo等の活用)
  • 車購入資金の準備(予算を150~200万円程度)
  • 生活費の見直し(固定費の削減により月1~2万円の余力創出)
  • 退職金見込額の定期的な確認(5年ごと)
  1. 優先度【低】
  • 旅行・趣味などの余暇資金
  • 住宅のリフォーム資金
  • 住宅ローンの早期完済(貯蓄余力がある場合のみ検討)

⑤ 目標分析

  1. 老後に必要な年間キャッシュフロー
  • 基本生活費:年間240万円
  • 旅行・趣味:年間40~50万円
  • 合計:年間290万円
  1. 公的年金・その他収入見込み
  • 夫婦の公的年金合計:年間約200万円(概算、65歳時点)
  1. 不足額(年間)
  • 290万円 - 200万円 = 年間90万円
  1. 想定老後期間から逆算した必要資産額
  • 90万円 × 25年間 = 2,250万円
  • 資産の運用益を考慮したベースライン:2,000万円
  • 医療費等の上振れを考慮した安心ライン:2,500万円

⑥ 実現可能性:リスクと対策

実現可能性の評価

① 住宅購入

  • 現在の収支・資産から見た実現度:予算によっては実現可能。長期ローン+退職金返済戦略により、より良い物件を購入できる。
  • 現実的な制約:月4万円の貯蓄では、頭金を大幅に増やすことは困難(頭金600万円の準備には約10年必要)
  • 補完策:生活費の見直しにより月1~2万円の余力を生み出し、貯蓄余力を増やす

② 老後資金

  • 長期的な見通し:35歳から65歳まで30年間、月3.5~5万円の積立を継続した場合、運用利回り3%で約1,900~2,700万円の資産形成が可能。ただし教育資金の取り崩しがあるため、最終的な老後資金は1,500~2,000万円程度。退職金の30~40%(200~300万円)を加えると、老後資金は1,700~2,300万円となり、公的年金と合わせて老後の生活は十分に可能

主なリスクと対策

市場変動リスク

リスク内容

  • 住宅購入時期に不動産価格が上昇している可能性
  • 頭金の一部を投資で準備する場合、必要時期に価格が下落しているリスク
  • 老後資金の投資資産の価値が短期的に変動する可能性。特に老後直前に市場が大きく下落するリスク

対策

  • 住宅購入資金(頭金・諸費用)は安全性の高い預金・債券で確保
  • 長期運用が可能な老後資金はバランス型の投資信託で運用し、時間分散効果を活用
  • 定期的なリバランスで資産配分を調整
  • 退職時期が近づいたら(55歳以降)、徐々に安全資産の比率を高める

収入変動リスク

リスク内容

  • 転職・病気・会社の業績悪化などにより収入が減少し、ローン返済や積立が困難になる可能性

対策

  • 生活防衛資金(生活費6ヶ月分=約130万円)を流動性の高い預金で確保
  • 医療保険・就業不能保険などの見直しと必要な保障の確保
  • 住宅物件価格を抑えることで、収入減少時にも返済を継続できる余裕を確保

ライフイベントリスク

リスク内容

  • 住宅購入後の修繕費、予期しない医療費など、想定以上の支出が発生する可能性
  • 親の介護費用、子供の進路変更(私立大学・大学院進学など)などの追加費用

対策

  • 住宅購入時は返済負担率を年収の25%以内に抑える
  • 教育資金は余裕を持って多めに準備(大学4年間で1人400~500万円を目安)
  • 老後資金とは別に、介護・医療費用の予備費を確保
  • 必要に応じて介護保険・医療保険の見直し
  • 定期的な家計・資産状況の確認と調整

⑦ 具体的手段

活用する制度等

  1. NISA(新NISA)
  • つみたて投資枠:年間120万円まで
  • 成長投資枠:年間240万円まで
  • 非課税保有期間:無期限
  • 老後資金形成の中心として最大限活用
  • 万が一の場合は、取り崩し可能
  1. iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • 会社員の場合、月額最大2.3万円(企業年金の有無により異なる)
  • 掛金が全額所得控除となり、税制メリットが大きい
  • 60歳まで引き出せないため、老後資金専用として活用
  1. 教育資金の準備制度
  • 児童手当を別管理して積立
  • 学資保険(元本保証型)の活用
  • 不足分は奨学金やローンの活用

総合的なキャッシュ配分計画

現在の家計状況

  • 手取り収入:約30万円/月
  • 生活費(賃貸費込み):22万円/月
  • 貯蓄・投資:4万円/月
  • 余剰・予備:4万円/月

① 住宅購入前のキャッシュ配分(現在〜購入まで2~3年)

月間配分(4万円)

  1. 住宅購入資金の積立:2万円(預金)
  • 目標:2~3年で50~70万円を積立
  • 現在の金融資産220万円(生活防衛資金を除く)と合わせて、頭金300~350万円を準備
  1. NISA(つみたて投資枠):2万円(バランス型投資信託)
  • 早期から老後資金の積立を開始し、時間を味方につける

推奨:生活費見直しで追加配分を確保

  • 固定費(通信費、保険料等)を月1~2万円削減
  • 削減分を住宅購入資金と老後資金に追加配分

② 住宅購入後のキャッシュ配分

住宅購入後の家計見込み

  • 手取り収入:約30万円/月
  • 賃貸を除く生活費:16~17万円/月
  • 住宅ローン返済:6~7万円/月(25~30年ローン、物件価格2,000~2,500万円)
  • 固定資産税・修繕積立等:1~2万円/月
  • 合計支出:24~27万円/月
  • 貯蓄余力:3~6万円/月

基本配分(貯蓄余力4万円の場合)

  • NISA(つみたて投資枠):2万円(老後資金)
  • 教育資金積立:2万円(預金または学資保険)
  • 合計:4万円の貯蓄・投資

③ 目的別キャッシュ配分の詳細

住宅購入資金

  • 準備期間:2~3年
  • 積立額:月2万円(生活費見直し後は月3万円)+ 現在の金融資産220万円
  • 目標額:頭金300~350万円
  • 運用方法:預金(元本保証)

教育資金

  • 準備期間:長男13年、長女16年
  • 積立額:月1.5~2万円(住宅購入後から開始)
  • 目標額:1人あたり400~500万円(大学4年間)
  • 運用方法:預金または学資保険(元本保証型)
  • 補完:児童手当を別管理して積立、不足分はローンで補完

老後資金

  • 準備期間:30年(35歳〜65歳)
  • 積立額:月2~3万円(NISA)+ iDeCo月1万円(家計に余裕ができたら)
  • 目標額:1,500~2,000万円(NISA)+ 退職金の30~40%(200~300万円)
  • 運用方法:バランス型投資信託(株式50%、債券50%程度)
  • 長期運用によるリターン見込み:年利3%想定

※生活費見直しや昇給により、配分額を増やす前提

資産配分の考え方

  1. 安全資産(預金・債券):40~50%
  • 生活防衛資金(130万円)
  • 教育資金(使用時期が決まっているため元本保証)
  • 住宅購入資金(短期間で使用するため元本保証)
  1. 成長資産(株式投資信託等):50~60%
  • 老後資金(長期運用が可能、バランス型ファンド中心)
  • 時間分散効果を活用し、市場変動リスクを軽減
  • 定期的なリバランスで資産配分を調整

⑧ アクションプラン

短期(今すぐ〜3ヶ月)

  1. 生活防衛資金の確認:現在の金融資産350万円のうち、130万円を流動性の高い預金として確保
  2. 退職金見込額の確認
  • 勤務先の退職金制度を確認
  • 65歳時点での退職金見込額を試算(保守的に見積もる)
  • 退職金の60~70%を住宅ローン返済に充て、30~40%は老後資金として残す前提で計画
  1. 住宅購入計画の具体化
  • 予算2,000~2,500万円の物件を調査
  • 頭金目標額:300~350万円(現実的に準備可能な金額)
  • 住宅ローン返済額:月6~7万円(25~30年ローン)
  • 65歳時点の残債:約500~800万円を退職金で返済
  • 住宅購入時期:2~3年以内を目標
  1. 家計の詳細な把握と見直し
  • 現在の生活費22万円の内訳を確認(賃貸費用等)
  • 固定費の見直し余地を確認(通信費、保険料等)
  • 月1~2万円の削減目標を設定
  1. NISA口座の確認と積立設定:現在のNISA口座で月2万円の自動積立を設定(バランス型投資信託)
  2. 保険の見直し:医療保険・生命保険・就業不能保険の保障内容を確認。過剰な保障があれば見直して保険料を削減

中期(1~3年以内)

  1. 頭金の準備
  • 現在の金融資産350万円から生活防衛資金130万円を除くと220万円
  • 2~3年で月2万円を積み立て、50~70万円を追加
  • 生活費の見直しで月1~2万円削減できれば、さらに20~50万円を追加可能
  • 合計で頭金300~350万円を準備(物件価格2,000~2,500万円の場合)
  1. 住宅購入の実行(2~3年後)
  • 物件価格:2,000~2,500万円
  • 頭金:300~350万円
  • 住宅ローン:月6~7万円(返済期間25~30年)
  • 購入後は固定資産税・修繕積立金も考慮した家計管理
  • 65歳時点で残債500~800万円を退職金で一括返済する計画
  1. 車の購入:予算150~200万円程度。住宅購入と時期をずらし、資金取崩しまたはローンで対応
  2. 教育資金積立の開始:住宅購入後、月1.5万円の教育資金積立を開始(学資保険または預金)

長期(3年~)

  1. 教育資金の継続的な積立
  • 長男の大学進学(13年後)まで月1.5万円の積立継続 → 約240万円
  • 長女の大学進学(16年後)まで月1.5万円の積立継続 → 約290万円
  • 貯蓄余力の確保により、更なる積立が前提となる
  • 不足分は金融資産やローン、奨学金で補完
  1. 老後資金の積立継続
  • NISA(月2~3万円)を65歳まで継続
  • iDeCoは、家計に余裕ができた段階で月1万円から拠出を開始
  1. 5年ごとの見直し
  • 子供の成長に合わせた教育方針の確認
  • 退職金の見込額を再確認
  • 住宅ローンの繰上返済の検討(貯蓄余力がある場合)
  • 資産配分のリバランス
  • 公的年金の見込額の再確認(ねんきん定期便の確認)
  • 生活費の再見直し(さらなる削減余地の確認)
  • 昇給や収入増加の機会があれば、貯蓄額を増やす
  1. 車の買い替え:おおむね10年ごとに買い替え発生。買い替え時期が子供の大学進学時期と重ならないよう調整
  2. 親の介護への備え:状況に応じて介護費用の準備と支援方法を検討

⑨ 将来の見直しポイント

  1. 時間の調整(引退年齢・達成時期)
  • 65歳での引退が難しい場合、67~70歳まで働くことで老後資金の不足をカバー
  • 反対に資産形成が順調な場合(昇給や生活費削減が進んだ場合)、60~63歳でのセミリタイアも選択肢に入る
  • 住宅購入時期は2~3年以内を目標とし、早めに購入することで子供が小さいうちに安定した住環境を整える
  • 住宅ローンは25年から30年で検討(月返済額と総支払利息のバランスを考慮)
  1. 金額の調整(生活水準・頻度)
  • 旅行の回数や予算を調整(年3~4回 → 年2~3回など)
  • 老後の生活費を月20万円から18万円に削減することで必要資産額を減らす
  • 子供の進路(国公立 or 私立、自宅通学 or 一人暮らし)により教育資金を調整
  • 住宅の価格帯や頭金の額を調整(物件価格を2,500万円から2,000万円に抑えるなど)
  • 車の価格帯や買い替え頻度を調整(200万円 → 150万円、10年 → 12年など)
  1. 手段の調整(投資配分・収入源)
  • 生活費の見直しによる固定費削減(通信費、保険料等で月1~2万円削減)
  • 昇給・昇進による収入増加の可能性を追求
  • 市場環境に応じて資産配分を調整(株式比率を40~70%の範囲で変動)
  • 住宅ローン金利の見直し(借り換えの検討)

⑩ 総括コメント

本プランは、安定した収入基盤と堅実な貯蓄習慣を活かし、「安心・安全」を最優先としながら、住宅購入・教育資金・老後資金という3つの大きな目標を同時に実現するための現実的な設計となっています。現在の収入による保守的な試算、長期住宅ローンと退職金を組み合わせた返済戦略により、月々の負担を抑えながらより良い住環境を確保できる点が特徴です。一方で、車購入やその他の予期せぬ支出には、やや弱い計画となっています。

また、具体的な昇給額や配偶者様の収入等は考慮していません。これらを見込むことができれば、貯蓄余力の拡大により、さらに柔軟な計画を組むことができるようになります。しかしながら、一番の実現のカギは、固定費の見直し、NISAを中心とした長期積立投資の継続にあると言えます。

今後は5年ごとに収入・支出・資産状況を見直し、ライフイベントの進捗に応じて計画を調整していくことで、ご家族全員が安心して暮らせる人生設計が実現可能と思います。


※本資料は現時点での前提条件に基づくものであり、状況変化に応じて定期的な見直しを行うことを推奨します。


このレポートはサンプルであり、実例ではありません。