妹背牛の行政書士が教える!株主総会議事録の書き方

株主総会を開催した後、「議事録には何を書けばいいの?」「決議した内容をどこまで詳しく記載すればいい?」と悩んでいませんか。

株主総会議事録は、株主総会でどのような議事が行われ、どのような決議がされたのかを記録する大切な書類です。役員の選任や報酬の決定、定款変更など、会社の重要な事項を決議した場合には、その内容を適切に記録しておく必要があります。

一方で、議事録の作成には一定のルールがあり、開催日時や場所、出席者、議事の経過、決議内容など、確認しておくべきポイントがあります。特に役員変更など、別の手続きが必要になるケースでは、議事録の内容にも注意が必要です。

本記事では、会社の手続きや書類作成について相談したい方に向けて、行政書士の視点から株主総会議事録の基本的な書き方を解説します。記載する項目や作成時の注意点を確認していきましょう。

株主総会議事録とは?作成する目的と役割

株主総会議事録とは、株主総会で行われた議事の経過や、その結果として決議された内容を記録した書類です。

株主総会は、会社法や定款で定められた事項について決議を行う重要な機関です。そのため、株主総会でどのような議事が行われ、どのような決議がされたのかを適切に記録しておくことが重要です。

株主総会議事録はなぜ必要なのか

株主総会議事録を作成する主な目的は、株主総会における会社の意思決定を記録として残すことです。

株主総会で決議した内容を議事録として残しておけば、後から「いつ、どのような内容が決議されたのか」を確認できます。会社の経営者や株主が変わった場合でも、過去の意思決定を確認するための重要な資料となります。

また、株主総会の決議内容によっては、法務局で役員変更などの登記手続きが必要になる場合があります。その際、株主総会議事録が登記申請の添付書面となるケースもあります。

さらに、株主総会議事録は、会社内部での意思決定を証明する資料としても役立ちます。会社にとって重要な決定をした際には、決議内容を正確に記録しておくことが、後のトラブルを防ぐことにもつながります。

議事録の保存期間と保管方法

株主総会議事録は、作成した後も適切に保管する必要があります。

会社法では、株式会社は株主総会の日から10年間、株主総会議事録をその本店に備え置かなければならないとされています。また、株主総会議事録を電磁的記録で作成した場合も、適切な方法で保管しなければなりません。

保管する際には、紙で作成した議事録であれば、紛失や破損がないよう会社の重要書類として管理します。電子データで保存する場合には、データの改ざんや消失を防ぐため、適切なバックアップを取っておくことも大切です。

会社法
(議事録)
第三百十八条
2 株式会社は、株主総会の日から十年間、前項の議事録をその本店に備え置かなければならない。
3 株式会社は、株主総会の日から五年間、第一項の議事録の写しをその支店に備え置かなければならない。ただし、当該議事録が電磁的記録をもって作成されている場合であって、支店における次項第二号に掲げる請求に応じることを可能とするための措置として法務省令で定めるものをとっているときは、この限りでない。

株主総会議事録に記録する内容

株主総会議事録には、会社法で定められた事項を記録する必要があります。具体的には、次のような事項を記載します。

  • 株主総会が開催された日時
  • 株主総会が開催された場所
  • 株主総会の議事の経過
  • 株主総会の議事の結果
  • 出席した取締役などの氏名
  • 議長がいる場合は議長の氏名
  • 議事録を作成した取締役の氏名
  • その他法令で定められている事項

会社法
(議事録)
第三百十八条 株主総会の議事については、法務省令で定めるところにより、議事録を作成しなければならない。

法務省令で定める内容

会社法施行規則
(議事録)
第七十二条 法第三百十八条第一項の規定による株主総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。
2 株主総会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。
3 株主総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。
一 株主総会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。第四号において同じ。)、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が株主総会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)
二 株主総会の議事の経過の要領及びその結果
三 次に掲げる規定により株主総会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
イ 法第三百四十二条の二第一項
ロ 法第三百四十二条の二第二項
ハ 法第三百四十二条の二第四項
ニ 法第三百四十五条第一項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)
ホ 法第三百四十五条第二項(同条第四項及び第五項において準用する場合を含む。)
ヘ 法第三百六十一条第五項
ト 法第三百六十一条第六項
チ 法第三百七十七条第一項
リ 法第三百七十九条第三項
ヌ 法第三百八十四条
ル 法第三百八十七条第三項
ヲ 法第三百八十九条第三項
ワ 法第三百九十八条第一項
カ 法第三百九十八条第二項
ヨ 法第三百九十九条の五
四 株主総会に出席した取締役、執行役、会計参与、監査役又は会計監査人の氏名又は名称
五 株主総会の議長が存するときは、議長の氏名
六 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名

会社法
(監査等委員である取締役等の選任等についての意見の陳述)
第三百四十二条の二 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。
2 監査等委員である取締役を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。
4 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の選任若しくは解任又は辞任について監査等委員会の意見を述べることができる。

(会計参与等の選任等についての意見の陳述)
第三百四十五条 会計参与は、株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について意見を述べることができる。
2 会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨及びその理由を述べることができる。
4 第一項の規定は監査役について、前二項の規定は監査役を辞任した者について、それぞれ準用する。この場合において、第一項中「会計参与の」とあるのは、「監査役の」と読み替えるものとする。
5 第一項の規定は会計監査人について、第二項及び第三項の規定は会計監査人を辞任した者及び第三百四十条第一項の規定により会計監査人を解任された者について、それぞれ準用する。この場合において、第一項中「株主総会において、会計参与の選任若しくは解任又は辞任について」とあるのは「会計監査人の選任、解任若しくは不再任又は辞任について、株主総会に出席して」と、第二項中「辞任後」とあるのは「解任後又は辞任後」と、「辞任した旨及びその理由」とあるのは「辞任した旨及びその理由又は解任についての意見」と読み替えるものとする。

(取締役の報酬等)
第三百六十一条
5 監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。
6 監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。

(株主総会における意見の陳述)
第三百七十七条 第三百七十四条第一項に規定する書類の作成に関する事項について会計参与が取締役と意見を異にするときは、会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において意見を述べることができる。

(会計参与の報酬等)
第三百七十九条
3 会計参与(会計参与が監査法人又は税理士法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員)は、株主総会において、会計参与の報酬等について意見を述べることができる。

(株主総会に対する報告義務)
第三百八十四条 監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものを調査しなければならない。この場合において、法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。

(監査役の報酬等)
第三百八十七条
3 監査役は、株主総会において、監査役の報酬等について意見を述べることができる。

(定款の定めによる監査範囲の限定)
第三百八十九条
3 前項の監査役は、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案、書類その他の法務省令で定めるものを調査し、その調査の結果を株主総会に報告しなければならない。

(定時株主総会における会計監査人の意見の陳述)
第三百九十八条 第三百九十六条第一項に規定する書類が法令又は定款に適合するかどうかについて会計監査人が監査役と意見を異にするときは、会計監査人(会計監査人が監査法人である場合にあっては、その職務を行うべき社員。次項において同じ。)は、定時株主総会に出席して意見を述べることができる。
2 定時株主総会において会計監査人の出席を求める決議があったときは、会計監査人は、定時株主総会に出席して意見を述べなければならない。

(株主総会に対する報告義務)
第三百九十九条の五 監査等委員は、取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類その他法務省令で定めるものについて法令若しくは定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、その旨を株主総会に報告しなければならない。

株主総会議事録の基本的な書き方

株主総会議事録を作成するときは、株主総会がいつ、どこで開催され、誰が出席し、どのような議事が行われ、最終的にどのような決議が成立したのかを分かるように記録します。

株主総会の開催日時・場所を記載する

まず、株主総会を開催した日時と場所を記載します。

令和○年○月○日 午前10時00分、当会社本店において、定時株主総会を開催した。

開催場所については、実際に株主総会を開催した場所を記載します。本店以外で開催した場合も、実際の開催場所が分かるように記載しましょう。

また、株主総会の種類が定時株主総会なのか臨時株主総会なのかについても、議事録の冒頭で明確にしておくと、どの株主総会に関する記録なのかが分かりやすくなります。

出席した株主や役員などを記載する

次に、株主総会に出席した株主や役員などについて記載します。

株主の総数  〇〇名
発行済み株式の総数  〇〇株
議決権を行使することができる株主の数  〇〇名
議決権を行使することができる株主の議決権の数  〇〇個
出席株主(委任状による者を含む)  〇〇名
出席株主の議決権の数  〇〇個
出席取締役  □□□□(議長兼議事録作成取締役)
□□□□
出席監査役  □□□□

株主については、法定の記載事項ではありません。しかし、株主総会の成立状況や決議の有効性を確認しやすくするため、議決権の数を明確にしておくことが重要です。

役員については、会社法施行規則により、株主総会に出席した取締役、執行役、会計参与、監査役または会計監査人の氏名・名称を記載します。

議長や議事の経過を記載する

まずは、議長の選任と株主総会の成立について、明らかにしておきます。

以上のとおり株主の出席があったので,定款の定めにより代表取締役社長○○○ ○は議長席につき,本定時総会は適法に成立したので,開会する旨を宣し,直ちに議事に入った。

続いて、議事の経過や決議内容を明確に記載します。

第1号議案 任期満了に伴う取締役改選の件
議長は、任期満了に伴う取締役改選の件について、下記の者を選任したい旨を提案した。これについて諮ったところ、出席株主から異議はなく、賛成多数をもって原案どおり承認可決された
取締役 □□□□
取締役 □□□□

各議案について、要点を整理し、その結果まで明確にしておくことが重要です。

作成者や署名・押印について確認する

株主総会議事録の最後には、議事録を作成した取締役の氏名などを記載します。

議長は以上をもって本日の議事を終了した旨を述べ、午前11時20分閉会した。
上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、議長、出席取締役および出席監査役がこれに記名する。

法令上では、議事録を作成した取締役の氏名を記載することが定められています。一方で、それ以外の取締役等については、定款の定めがあれば、それに従って作成します。

株主総会議事録には、必ずしも「実印で押印しなければならない」わけではありません。しかし、手続きによっては、議事録への押印が必要となる場合もあります。また、定款で「署名」や「記名押印」を必要とする記載があれば、それに従って作成します。

参考
株式会社変更登記申請書(取締役会設置会社で役員(取締役・代表取締役・監査役)全員が重任する場合)):法務局

まとめ|株主総会議事録を正しく作成しよう

株主総会議事録は、株主総会でどのような議事が行われ、どのような決議が成立したのかを記録する重要な書類です。

議事録を作成する際は、開催日時や場所、出席者、議長、議事の経過、決議結果など、会社法や会社法施行規則で定められている事項を確認することが大切です。

特に、取締役の選任や解任など、株主総会の決議をもとに役員変更登記を行う場合には、議事録の内容が登記申請に関係してきます。選任された役員の氏名や決議内容などについて正確に作成し、関連書類ともに整備しておきましょう。

株主総会議事録は、一度作成して終わりという書類ではありません。会社法上、株主総会議事録は株主総会の日から10年間、本店に備え置く必要があります。後から過去の決議内容を確認できるよう、適切に整理・保管しておきましょう。

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