ドローンのリモートIDは必要?妹背牛の行政書士が解説するポイントと注意点
ドローンの飛行許可について調べていると、「リモートID」という言葉を目にすることがあります。
「リモートIDって何?」
「自分のドローンにも必要なの?」
「登録しないと飛ばせないの?」
このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
リモートIDとは、飛行中のドローンが機体情報や位置情報などを発信する仕組みで、安全な空域を確保し、事故やトラブルを未然に防ぐために導入された制度です。現在では、多くのドローンで機体登録とあわせてリモートIDへの対応が求められています。
この記事では、ドローンの利用を検討している方へ向けて、行政書士の視点からリモートIDの仕組みや必要性、登録方法、飛行時の注意点について、初心者にもわかりやすく解説します。
リモートIDとは?ドローンに搭載される識別システム
リモートIDとは、ドローンが飛行中に機体情報や位置情報などを無線で発信する仕組みです。自動車のナンバープレートのような役割を果たし、「どの機体が、どこを飛行しているのか」を周囲から確認できるようにするために導入されました。
この制度は、ドローンの安全な運用を目的としており、一定の条件に該当する機体ではリモートIDへの対応が義務付けられています。ドローンを飛行させる際は、機体登録だけでなく、リモートIDについても正しく理解しておくことが大切です。
リモートID制度が始まった背景
ドローンは、空撮や農業、測量、インフラ点検など幅広い分野で活用される一方、無許可飛行や事故、第三者への危険を伴う事例も増加しました。そのため、安全な飛行環境を整備する目的で航空法が改正され、リモートID制度が導入されました。
リモートID制度には、次のような目的があります。
- 飛行中のドローンを識別し、所有者や登録情報を確認できるようにするため
- 不審なドローンやルール違反の飛行を把握しやすくするため
- 万が一事故やトラブルが発生した際に、原因調査や機体の特定を迅速に行うため
- ドローン利用者全体の安全意識を高め、安心して活用できる環境を整えるため
このように、リモートIDは利用者を監視するためだけの制度ではなく、ドローンを安全に普及させるための重要な仕組みとして位置付けられています。
リモートIDで発信される情報
リモートIDでは、飛行中のドローンから一定の情報が自動的に発信されます。これらの情報は、対応した受信機器によって確認することができます。
主に発信される情報は次のとおりです。
- 登録記号:機体登録時に付与される識別番号
- 位置情報:ドローンが現在飛行している場所
- 高度:地上からどの程度の高さを飛行しているか
- 速度:飛行速度
- 機体の進行方向:飛行している向き
- 緊急状態の有無:機体の異常や緊急事態を示す情報
これらの情報には、所有者の氏名や住所などの個人情報がそのまま含まれるわけではありません。発信されるのは機体を識別するために必要な情報が中心であり、プライバシーにも配慮された仕組みとなっています。
リモートIDは、安心・安全なドローン運用を支える重要な制度です。これからドローンを購入する方や運用を始める方は、自分の機体がリモートIDに対応しているかどうかもあわせて確認しておきましょう。
ドローンのリモートIDは必要?対象となる機体
リモートIDの搭載義務の対象となるのは、100g以上の機体です。100g以上のドローンは、飛行させる前に機体登録を行う必要があります。そして、原則として登録された機体にはリモートID機能が求められます。
リモートID内蔵機
最近販売されているドローンの多くは、あらかじめリモートID機能を搭載しています。機体本体にリモートID機能が組み込まれているため、追加の機器を取り付ける必要はありません。ただし、飛行前にはメーカーの案内に従ってリモートID機能を有効化しているか確認しましょう。
外付け機器を利用する場合
リモートIDを搭載していない機体であっても、国の基準を満たした外付け型のリモートID機器を装着することで制度に対応できる場合があります。内蔵されていない機体を引き続き使用したい場合は、外付け機器を活用することを検討しましょう。
経過措置の対象機体
制度開始前から登録・使用されていた一部の機体については、一定の条件を満たすことでリモートIDの搭載が免除される経過措置が設けられています。ただし、この経過措置はすべての機体に適用されるわけではなく、登録時期や登録内容などの条件があります。
リモートID特定区域届出とは?
100g以上の無人航空機は、原則としてリモートIDを搭載し、作動させた状態で飛行しなければなりません。
しかし、必要な安全措置を講じたうえで、あらかじめ届け出た区域の上空において、あらかじめ届け出た機体のみを飛行させる場合は、リモートIDによって機体を遠隔から識別する必要性が低いと考えられます。
そこで設けられているのが「リモートID特定区域届出制度」です。
この制度を利用することで、一定の要件を満たした場合には、リモートIDの搭載義務が適用除外となり、届け出た機体を特定区域内で飛行させることができます。
リモートIDの搭載義務が適用除外となるためには、届出を行うだけでは足りません。飛行中は、次のような安全措置を講じる必要があります。
- 飛行する機体が特定区域の上空から逸脱しないよう監視すること
- 届け出ていない無人航空機が飛来した場合に判別できる体制を整えること
- 補助者を配置するなど、飛行状況を監視できる体制を確保すること
- 標識や柵などにより特定区域の範囲を明示すること
- 飛行時には届出内容を確認できる書類等を携帯すること
これらの措置を適切に講じることで、安全を確保しながら、リモートID搭載義務の適用除外を受けることができます。
まとめ|ドローンのリモートID制度を正しく理解
リモートIDは、ドローンの安全な運用を目的として導入された制度です。100g以上の無人航空機は、原則として機体登録を行い、リモートIDを搭載・作動させた状態で飛行する必要があります。一方で、法令で定められた要件を満たす場合には、リモートIDの搭載義務が適用除外となる制度も設けられています。
近年は、ドローンの活用が農業、測量、物流などさまざまな分野へ広がる一方で、航空法をはじめとする関係法令や制度も継続的に見直されています。リモートID制度についても、ドローンの安全な利活用を推進するための仕組みの一つであり、今後も制度の運用やルールが変更される可能性があります。そのため、一度ルールを確認したから安心というものではなく、最新の法令や制度を確認しながら運用することが重要です。
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