北空知の事業者必見!契約書の基本とトラブルを防ぐ作成方法

事業を営むうえで、取引先との契約は避けて通れません。しかし、「長年の付き合いだから」「信頼関係があるから」といった理由で契約書を作成せずに取引を行っているケースも少なくありません。

ところが、取引内容や報酬、納期などについて認識の違いが生じると、思わぬトラブルに発展することがあります。こうしたトラブルを未然に防ぎ、自社の権利と利益を守るために重要な役割を果たすのが契約書です。

契約書は単なる形式的な書類ではなく、万が一のトラブル発生時に重要な証拠となるほか、取引条件を整理し、双方が安心して取引を進めるためのルールブックとしての役割も担っています。

この記事では、契約書の基本的な知識から、事業者が押さえておくべき重要なポイント、契約トラブルを防ぐための作成方法までを行政書士の視点からわかりやすく解説します。北空知エリアで事業を営む方や、これから契約書の整備を進めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

契約とは?事業者が知っておきたい契約の基本ルール

契約とは、当事者同士の意思が一致することで成立する法律上の約束です。

民法では、一方が契約内容を申し込み、相手方がそれを承諾することで契約が成立するとされています。例えば、「この商品を1万円で販売します」という申込みに対し、「その条件で購入します」と承諾すれば、その時点で売買契約は成立します。

契約というと、契約書に署名や押印をして締結するものというイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、民法上は契約の成立に書面の作成や署名・押印が必ず必要とされているわけではありません。原則として、口頭であっても契約は有効に成立します。

もっとも、口頭による契約は後から契約内容を証明することが難しいという問題があります。多くの契約では、契約書は契約成立のために必要なものではなく、合意内容を明確化するために作成されます。

(契約の成立と方式)
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。
2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

契約書には何を書くべき?記載内容を決める考え方

契約書を作成する際、「何を書けばよいのか分からない」という方は少なくありません。しかし、契約書に記載すべき内容を考えるうえでは、まず契約そのものの役割を理解することが重要です。

民法には、契約に関するさまざまなルールが定められています。しかし、そのすべてが絶対に従わなければならないものではありません。法律の規定には、大きく分けて「強行規定」と「任意規定」があります。

強行規定とは、当事者同士で別の約束をしたとしても変更できないルールです。例えば、消費者保護に関する規定や公序良俗に反する契約を無効とする規定などがこれに当たります。

一方、任意規定とは、当事者間で別の取り決めをした場合には、その合意内容が優先されるルールです。民法の契約に関する規定の多くは、この任意規定に分類されます。

そのため、契約書を作成する意味の一つは、法律が予定している標準的なルールを、当事者の実情に合わせて修正することにあります。

例えば、

・代金はいつ支払うのか
・業務の範囲はどこまでか
・契約を解除できるのはどのような場合か
・損害が発生した場合の責任をどうするか

といった事項は、法律上の原則だけでは必ずしも当事者の意図どおりにならないことがあります。

そこで契約書によってルールを明確に定めることで、当事者双方が望む取引内容を実現できるようになるのです。

なぜ契約書が必要なのか?作成する3つの意義

契約書には、当事者間の取引を円滑に進め、将来的なトラブルを防ぐための重要な役割があります。ここでは、契約書を作成する主な意義について解説します。

①合意内容を明確にするため

契約書を作成する最大の目的は、当事者間で合意した内容を明確にすることです。

契約は口頭でも成立しますが、人の記憶は曖昧なものであり、時間が経過するにつれて認識にずれが生じることがあります。

契約書によって合意内容を書面化しておくことで、当事者双方が同じ認識のもとで取引を進めることができるようになります。

②紛争やトラブルを予防するため

契約書には、将来発生する可能性のある紛争やトラブルを未然に防ぐ役割があります。

契約トラブルの多くは、「言った言わない」「そもそもどのような約束だったのか」というように、解釈や記憶が曖昧であることなどから発生します。契約書で権利義務の内容を具体的に定めておけば、解釈の違いによる争いを防ぎやすくなります。

また、万が一トラブルが発生した場合でも、契約書があれば当事者間の約束内容を客観的に証明することができます。契約書は、紛争が起きたときのための証拠であると同時に、紛争そのものを発生しにくくする予防策でもあるのです。

③契約を守る意識を高めるため

契約書には、当事者に契約内容を意識させる効果も期待できます。

口頭での約束の場合、時間の経過とともに内容が曖昧になったり、軽視されたりすることがあります。

一方で、契約内容を書面として作成し、双方が確認したうえで契約を締結すると、「この内容を守らなければならない」という意識が生まれます。

契約書は単なる証拠書類ではなく、当事者双方に契約内容を再確認させ、円滑な取引関係を維持するための重要なツールといえるでしょう。

契約書の雛形をそのまま使うと危険?知っておきたいリスク

インターネット上では、さまざまな契約書の雛形(テンプレート)が公開されています。そのため、「費用をかけずに契約書を作りたい」と考え、雛形をそのまま利用する方も少なくありません。

しかし、インターネット上の雛形をそのまま使用することには注意が必要です。

契約書は、取引内容や当事者の立場、業種、契約期間、取引金額などによって必要な条項が異なります。そのため、ある取引では適切な内容であっても、自社の取引にそのまま当てはまるとは限りません。

さらに、インターネット上の情報は必ずしも最新とは限りません。法改正に対応していない古い雛形が掲載されていることもあり、そのまま利用すると、本来盛り込むべき条項が欠けていたり、自社に不利な内容になったりする可能性があります。

契約書の雛形は、あくまでも契約書作成の参考資料として活用するものであり、そのまま使用すれば安全というものではありません。

重要なのは、自社の取引内容に合わせて必要な条項を検討し、契約の目的やリスクに応じて内容を調整することです。契約書は「あるかないか」ではなく、「取引内容に合った内容になっているか」が重要であることを理解しておきましょう。

まとめ|契約書は事業を守る重要な備え

契約は、当事者の申込みと承諾という意思表示の合致によって成立する法律行為であり、必ずしも契約書を作成しなければ成立しないものではありません。口頭であっても契約は有効に成立します。

しかし、口頭による契約は後から内容を証明することが難しく、認識の違いや記憶の曖昧さからトラブルが発生する可能性があります。そのため、契約内容を書面として残し、当事者間のルールを明確にする契約書が重要な役割を果たします。

契約書の作成にあたっては、単に約束事を書き並べるのではなく、法律の任意規定を当事者の実情に合わせて修正し、将来的に解釈が分かれそうな事項をあらかじめ整理しておくことが大切です。

北空知エリアで事業を営む方にとっても、契約書は取引先との信頼関係を守り、事業上のリスクを軽減するための重要なツールです。契約トラブルを未然に防ぎ、安心して事業を継続していくためにも、契約書の内容を定期的に見直し、適切に整備しておくことをおすすめします。

契約書の作成や内容のチェックでお困りの際は、行政書士などの専門家へ相談することで、自社の取引内容に適した契約書を作成することができます。将来のトラブルを防ぐためにも、契約書の重要性を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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