妹背牛の行政書士が教える!ドローンによる農薬散布手続きガイド

近年、農業分野では、ドローンを活用した農薬散布が急速に普及しています。短時間で効率よく作業ができることから、北空知エリアでも導入を検討する農業者が増えており、関心が高まっています。

しかし、ドローンによる農薬散布は、機体を購入してすぐに始められるわけではありません。基本的には、航空法に基づく飛行許可・承認が必要になるほか、関係法令を遵守し、安全対策や近隣への配慮も欠かせません。手続きを十分に理解しないまま運用を始めてしまうと、思わぬトラブルや法令違反につながる可能性があります。

そこで本記事では、ドローンによる農薬散布を検討している方に向けて、必要となる手続きや注意点、飛行許可申請の流れを行政書士の視点からわかりやすく解説します。初めてドローンを導入する方はもちろん、すでに運用している方にも役立つ内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

ドローンによる農薬散布に必要な手続きとは

ドローンによる農薬散布を行うためには、機体を購入するだけでは始められません。航空法をはじめとする各種ルールを守り、必要な手続きを済ませたうえで飛行することが重要です。

特に農薬散布用ドローンは大型機が多く、小型のドローンよりも厳格なルールが適用される場面があります。ここでは、農薬散布を始める前に押さえておきたい4つの手続きを解説します。

①機体登録

農薬散布に使用するドローンは100g以上の無人航空機に該当する場合がほとんどです。そのため、航空法に基づく機体登録が必要です。

機体登録を行うことで登録記号が付与され、機体への表示やリモートIDなどの要件を満たした状態で運用しなければなりません。登録を受けていない機体を飛行させることはできないため、最初に行うべき手続きとなります。

②保険への加入

農薬散布で使用されるドローンは、最大離陸重量25kg以上の大型機となるケースが多くあります。このような機体を運用する場合は、第三者への賠償責任保険への加入が必要となりました。

特に農薬散布は、人や建物、車両の近くで飛行する場合もあり、万が一の事故に備えることは事業者として重要な責任です。機体登録だけでなく、保険加入もあわせて準備しておきましょう。

③飛行許可・承認申請

機体登録が済んでいても、農薬散布を行うには飛行許可・承認申請が必要になるケースがほとんどです。

農薬散布では、農薬を散布する行為が航空法上の「物件投下」に該当します。また、農薬の運搬は航空法上の「危険物輸送」に該当するため、その運搬についても承認が必要です。さらに、実際の農地では、人や住宅、倉庫などの物件から30メートル未満で飛行するケースも少なくありません。このような飛行も許可・承認の対象となるため、農薬散布を始める前に適切な申請を行う必要があります。

④飛行計画の通報

飛行許可・承認を取得した後は、飛行計画の通報を行います。

飛行日時や飛行場所、飛行経路などの情報を事前に登録することで、他の航空機との安全な運航を図ることが目的です。また、飛行前には機体の点検や周辺環境・気象条件の確認、補助者の配置など、安全管理も徹底することが重要です。

ドローンの手続きはDIPS 2.0で行います

ここまでご紹介した機体登録や飛行許可・承認申請、飛行計画の通報は、いずれも国土交通省が運営する「DIPS 2.0(ドローン情報基盤システム)」を利用して行います。

DIPS 2.0は、ドローンに関する各種手続きをオンラインで一元管理できるシステムです。機体登録や飛行許可・承認申請だけでなく、飛行計画の通報や飛行日誌の管理など、ドローンを運用するうえで必要な手続きの多くを行うことができます。

初めて利用する場合は、アカウントの作成をする必要があります。加えて、機体情報の入力、必要書類の準備など、それぞれの手続きを行わなければなりません。入力内容に不備があると、申請の差戻しや審査の遅れにつながる場合もあります。

農薬散布を開始するためには、早めに準備をし、事前に必要手続きを確認しておくことが重要です。

ドローン情報基盤システム2.0

ドローン農薬散布でよくある質問

Q1. 機体登録や飛行許可・承認申請は毎回必要ですか?

いいえ、毎回必要になるわけではありません。

機体登録の有効期間は3年間です。また、飛行許可・承認についても、1年間の有効期間を定めて申請するのが一般的です。

ただし、申請内容によって異なる場合があります。また、有効期間内であっても、新たな飛行内容が許可・承認の範囲外となる場合は、別途申請が必要になることがあります。

Q2. 農薬散布以外にも同じ許可・承認でドローンを飛ばせますか?

飛行目的や飛行方法によって異なります。

農薬散布を前提として取得した許可・承認であっても、別の目的で飛行する場合は、その飛行内容が許可・承認の範囲に含まれているか確認する必要があります。

飛行目的や飛行方法が変わる場合は、新たな手続きが必要になることもあるため、事前に確認することをおすすめします。

Q3. 自分の農地のみで活用する場合も許可は必要ですか?

はい、基本的に必要です。

航空法の規定は、「どのような飛行を行うか」によって適用されます。

農薬散布では、「物件投下」や「危険物の輸送」に該当するほか、人や物件から30メートル未満で飛行するケースも多いため、自分の農地であっても飛行許可・承認が必要となります。

まとめ|ドローンの農薬散布は事前準備が大切

近年は、ドローンの導入を検討する農業者も増えています。しかし、ドローンは導入すればすぐに農薬散布ができるわけではなく、機体登録や飛行許可・承認申請、飛行計画の通報など、事前に必要な手続きがあります。

また、飛行目的や飛行方法によって必要となる手続きは異なるため、自身の運用方法に合わせて確認することが重要です。適切な手続きを行うことで、安心・安全にドローンを活用した農薬散布を行うことができます。

北空知でドローンによる農薬散布を検討されている方は、導入後のトラブルを防ぐためにも、事前に必要な手続きを確認し、計画的に準備を進めていきましょう。

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